ババ孝行
- 2006年07月02日
- 日ごろのこと
一週間ほどの帰省、最後の夜となる。
今日、昼間ばあちゃんと二人で、札幌のモエレ沼公園に行った。
脳梗塞の後遺症で、ボケ始め、体力がどんどん衰え、杖歩行で行動範囲もかなり限られている現在。
公園では、車イスの貸し出しをしていて、助かる。でも、返却の17時まで、あと一時間。。急げ!!
ばあちゃんを乗せ、小走りで人混みを駆け抜ける。こんな早い車イス初めて見る。。。
公園内は、車イスの環境が整っていて嬉しい。周りの人たちも温かく、エレベーターのドアを押さえててくれたり本当感謝、素直に甘える。ありがとう。。
この公園が完成し1年。6年前に来たきり、完成してからは初めてなので、慌ただしく移動する。
二つの三角山は急だし高過ぎて無理だが、坂の緩い高い場所へ車イスで登るかい?と問うと、歩いていける。。と!!いつも、寝てばかりのばあちゃんがヤル気を見せた!!杖片手に、手を引き少しずつ登る。。。2/3ほど登った所で、芝生で休憩(写真左ババと太陽、右ババと三角山、大)。風が強く、白いクルクルパーマがなびく。と、時間を見ると返却まであと10分。車イスで坂を下り、車イスで車道を走り、返却に間に合う。
普段、デイサービスと自宅の往復、しもの処理もままならない、寝てばかり、ボケの進行、そんな生活で、以前気の強かったばあちゃんの顔には表情が消え、一気に衰えていった。。。
緑に囲まれ、そんなばあちゃんに、表情が戻り、発する言語も対当な会話として成立している。緑って、本当にすごいパワーを持っているんだな。。と、改めて実感。
二日前、遠出をする為、朝6時前に起きると、ばあちゃんが真っ暗の居間にカーテンをかき分け朝日を見ていた。ばあちゃん早いね。。と言うと、白い頭を指しながら、突然「けいこぉ。。ばあちゃん、頭悪くなったから、魔法かけてくれぇ。。」と。前の夜に、ばあちゃんの世話をしながら、イライラしていた。自分の器の小ささ、ばあちゃん自信思うようにいかない体との葛藤など、考えると、すごく胸が締め付けられて、何も応えられなかった。。ただ、涙をこらえる事で精一杯。たまに正気に戻る事があるんだなぁ。。
次の日、小さな魔法をかけてあげようと、白髪染めを買っていった。黒い髪の若返った自分を見て、少しはシャキーンと気持ちもしっかりになるかな?と、思い。。。でも、伸びてくると、「根本が白く鉢巻きをしたようになるから止めな」と、家族の意向と本人もそのままでいいとの事で、あっけなく魔法をかけてあげる事は出来なかった。。
今回モエレ沼公園に来れて良かった。格好良く言えば、ババ孝行だけども、普段何もしてあげられないだけに、自己満なのかな。。。今の自分にできること。って。。
また明日から、実家を離れると、ばあちゃんにもいつもの毎日がくる。。何か、離れてても、楽しく刺激を与えられる事ないかなぁ??何か良いアイデアあったら、教えてくださいね!!
後半暗めな内容になってしまいましたが、夜ばあちゃんは、今日の景色を目に焼き付けてきてくれたみたいで、各箇所の感想を何度も何度も笑って話してくれた。。いろんな感情をありがとう、ばあちゃん。。。