3羽の小鳥

ケニア キベラスラム大火災 その4

  •   2014年12月09日
  •  あふりかな日ごろ


私が昔から心を奪われるアフリカの力強さ、
まさに、命がキラキラ光るこんな光景だったりするのです。

日本の裏側でも、日本でも、どこでも、
みんなみんなで心で繋がる場所にいたい。。。

どん底を感じて、初めて、命の力を感じる

早川さんの最新状況のシェアです。

●火事から6日目、12月7日の報告●

12月7日(日)にマゴソスクールで集会を行ないました。

前日までにオギラがマゴソスクールの生徒たちの家庭訪問を行いましたが、
火事の経験のあまりの恐怖に子どもたちはずっと泣き続けていて、
沈み込んで口をつぐむ子たち、声も出なくなっている子たち、
その様子をオギラが報せてくれました。

実は火事の一ヶ月前に、
マゴソの近所で道路拡張のための突然の強制撤去が行われ、
ブルドーザーが突然やってきて家々を潰していきました。

強制撤去の恐怖、そしてその直後にこんどは火事の恐怖、
そして火事が起こった12月2日はマゴソスクールに子どもたちは全員集まっており、
火が襲ってくる様子、人々が強奪に流れ込んでくる様子、
そして最前線で救助活動をしていたオケッチが倒れて亡くなる場面を見ていました。

火が出てから子どもたちはすぐにリリアンの指示のもとに線路のあたりまで避難したのですが、
そこから火事の様子を見ていました。

12月7日の集会前日にリリアンとオギラから連絡が入り、
「あまりのトラウマに子どもたちは凍りついている。
しゃべることも歌うこともできない」と言われていました。

12月7日はそれでも亡くなったオケッチの追悼式と、
祈りの集会や物資の配布を行うために私は日本から名古屋キリスト教社会館からの4名と、
マゴソOBOGの高校奨学基金のモロ教育基金の両角さんと一緒にマゴソに行くことにしていました。

マサヤは、子どもたちは歌えなくても、私たちがオケッチの追悼のために歌い、
子どもたちのことも励まそうと話しました。

そこで私たちは朝からマゴソに向かいました。

するとその後、私の友人でナイロビ在住ホンデュラス人のシンガーであるワニーさんが、
とてもたくさんのお友達を連れて到着しました。

アメリカ人、中国人、スペイン人、アルゼンチン人、ホンデュラス人、ケニア人、
とてもたくさんの方々がマゴソを励ますためにキベラの中を歩いて来てくれました。

リリアンがみんなの前でこう言いました。
どんなことがあっても、もう立ち上がれないほどに打ちのめされても、私たちはひとりじゃない。

私たちを引っ張り上げてくれる力がある。

私たちは強くなれる。

また必ず立ち上がって前に向かって歩いていく力が私たちにはあります。
だからみんなでがんばろう。

リリアンがそう話して、祈りの歌からはじまりました。

するとそこに子どもたちが歌いはじめ、その歌声はどんどん大きくなっていきました。

マサヤくんがタイコを叩いてくれて、トニーやロリンズがそこに加わって盛り上げました。
アンティサナさんはニャティティを弾いてくれました。

そのうちお客さんもみんな立ち上がって踊りだしました。
リリアンもみんなの前に踊り出ました。
子どもたちも踊り出ました。
みんなに笑顔が戻りました。

心のこもったスピーチをしてくれた人たちも何人もいました。
アメリカ人で中国在住のマークさんは、中国の児童養護施設の子どもたちが
中国語で書いてくれたお手紙と絵を持ってきてくれました。

ケニアのお友達に会いたい、
そのときは一緒に音楽をやりたいと書いてありました。

日本から来た皆さんは、炭坑節を踊ってくれました。

そこにリリアンやオギラたちもハッピを来て加わりました。

ひとしきり歌って踊ったあと、
皆さんからの善意で集まった物資をシェアし、
そのあと子どもたちや避難されている方々へ食事を振る舞いました。

この炊き出しは火事の日から毎日、朝、昼、晩の3食行っていて、
マゴソOBOGたちが手分けして手伝ってくれています。

沈んだ気持ちを押してでもこの日こうして集会を開き、
そこに皆さんがたくさんの気持ちを寄せてくださり、
それによってエネルギーが上がっていく奇跡を体感しました。

想いというのは伝わり合って響き合い、繋がり合って大きな力を生みます。

子どもたちとリリアンたちの中に、
再び命の光が灯るのが、私はひしひしと目に見えました。
とても感動しました。

あとで昼食のときにリリアンは言いました。

「キベラの子どもたちは強い。
子どもたちのこれまでの様子を見ていて今朝まで私は、
今日皆さんが来てくれても子どもたちはしゃべれないし歌えないし笑えないと思っていたけど、
まさかこんなに元気に歌ったり踊ったりできるとは思わなかった!
信じられない!
きっとこれからも大丈夫。
みんなでだんだんと、元気になっていけばいい。」

本当にそう思いました。

私は、これから子どもたちにはまずは
恐怖やストレスを癒すための何かリセットのきっかけが必要だなと思いました。

音楽やアート、語り合うこと、声を掛け合うこと、一緒に食べること、
それは痛みを癒して勇気を出し合う力をくれます。

これから何ができるか考えて話し合っていきたいと思います。

応援を届けてくださった皆様、本当にありがとうございます。
写真で昨日の集会の様子をご覧いただけますと幸いです。

ありがとうございます。

早川千晶